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坐骨神経スライダー(座位スランプ・神経滑走)

Sciatic Nerve Slider (Seated Slump Neurodynamic Mobilization)

椅子座位で『頸部屈曲+足関節背屈・膝伸展』と『頸部伸展+足関節底屈・膝屈曲』を交互に行い、坐骨神経を頭尾方向に滑走(slide)させる神経滑走エクササイズ。下肢への放散痛・坐骨神経痛・腰背部関連下肢痛のセルフケアとして用いられる。緊張をかけず神経を『すべらせる』ことが目的で、痛みが増す範囲には進まない。

腰痛1 分 30 秒3分以内やさしい座位器具:chair-with-back専門家由来
坐骨神経スライダー(座位スランプ・神経滑走)で主に伸びる対象部位の目安。大腿と下腿の人体模型

Muscle atlas

どこに効くか

医療診断ではなく、意識する場所をつかむための部位イメージです。主な焦点は もも、ふくらはぎ、すねです。

大腿・下腿もも、ふくらはぎ、すね
体幹・腰背部背中、腰、腹部
その他関節、神経、筋膜など

target muscles

  • 坐骨神経(L4-S3 神経根由来)
  • ハムストリングス(補助的伸長)
  • 腓腹筋・ヒラメ筋(補助的伸長)
  • 脊柱起立筋(slump 姿勢で軽度伸長)

動作ガイド

動きの流れ

ここでは、体の向き・支点・力を抜く位置を手順に沿って確認します。

体の向き対象側の坐骨神経経路(殿部〜大腿後面〜下腿後面〜足底)頸椎屈曲/伸展膝関節屈曲/伸展
1手順 1
手順 1の動き

手順 1

背もたれのある椅子に深く座り、膝と股関節を90度に曲げる。両足は床に平らに置く。

Tips

  • 椅子の前縁ではなく中央に座り、膝裏が圧迫されない位置に調整
  • 両手は太ももの上または椅子の座面の縁を軽く把持
2手順 2
手順 2の動き

手順 2

対象側(症状側)の膝をゆっくり伸ばしながら、同時に同側の足首を背屈(つま先を天井方向に引き上げる)する。同時に頸部を屈曲(顎を引き胸につける)して背中を丸める(slump 姿勢)。これが『テンション位』。

Tips

  • 膝はまっすぐ伸ばすが、痛み・しびれが強くなる手前で止める(フル伸展は不要)
  • 頸部屈曲+足背屈+膝伸展の3つで坐骨神経・脛骨神経経路に張力がかかる
  • 張力をかけ続けない(神経を『引っ張る』のではなく『すべらせる』)
3手順 3
手順 3の動き

手順 3

次に逆方向に動く: 膝をゆっくり曲げて元の90度に戻し、同時に足首を底屈(つま先を下に向ける)し、頸部を伸展(顎を上げ視線を前方〜やや上に向け背筋を伸ばす)する。これが『リリース位』。

Tips

  • 頸部伸展+足底屈+膝屈曲で神経経路の張力が緩み、坐骨神経が頭側にスライド
  • 両端(頭側・尾側)の張力が同時に増えないようにする=『すべる』動き
  • 腰を丸めるのと反らせるのを連動させる
4手順 4
手順 4の動き

手順 4

Step 2(テンション位)↔ Step 3(リリース位)を 1〜2 秒ずつかけてゆっくり繰り返す。1セット 10〜15 回。1日 2〜3 セットを目安に。痛み・しびれが増えない範囲で動かす。

Tips

  • リズム: 各動作 1〜2 秒、合計 1往復 3〜4 秒
  • 下肢への放散痛が増えるならテンション位の振幅を縮める
  • 両側に症状があれば左右交互に実施
5手順 5
手順 5の動き

手順 5

セット間に 30 秒〜1 分の休憩を入れる。症状側に応じて 1〜3 セット実施。実施後にしびれや痛みが増えていないか、足の力が抜けていないか自己確認する。増悪する場合は中止し医療機関へ。

Tips

  • 痛みが残らない『心地よいすべり感』が成功の目安
  • 実施後に下肢挙上テスト(SLR)で症状側の挙上角度がわずかに改善することがある

呼吸

鼻から吸って口からゆっくり吐く。動きと呼吸を同期させ、息を止めない。テンション位で吸い、リリース位で吐くと連動させやすい。

回数 / 頻度

1セット10〜15回、1日2〜3セット、左右別々に

こんなときは行わない

  • 急性腰椎椎間板ヘルニア急性期で著明な神経症状増悪傾向のある場合
  • 馬尾症候群(膀胱直腸障害・サドル麻痺)疑い
  • 下肢の進行性筋力低下・足下垂
  • 悪性腫瘍・感染・骨折など Red Flag 兆候
  • 実施中に痛み・しびれが増悪する場合

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出典

11 references

このストレッチの内容は、以下の文献・公的情報を参照して構成されています。各リンクから一次情報を確認できます。

  1. Comparison of different treatment positions of nerve slider technique for patients with low back pain: a randomized control trial

    PMC / PubMed 39873676 (2025 RCT) · en · academic · 参照 2026-05-18

    RCT comparing sitting vs supine positions of nerve slider; both arms received slider technique

  2. Efficacy of neuromobilization in the treatment of low back pain: Systematic review and meta-analysis

    Plaza-Manzano et al. PLOS ONE 2024 (PMC11075829) · en · academic · 参照 2026-05-18

    SR/MA for neuromobilization in LBP; mixed-intervention contexts

  3. Effect of Neural Mobilization Exercises in Patients With Low Back-Related Leg Pain With Peripheral Nerve Sensitization: A Prospective, Controlled Trial

    PMC8703155 (Mahmoud et al. 2021) · en · academic · 参照 2026-05-18

    Controlled trial referencing NM effects on LBP-related leg pain

  4. Comparison of Longitudinal Sciatic Nerve Movement With Different Mobilization Exercises: An In Vivo Study Utilizing Ultrasound Imaging

    Coppieters et al. JOSPT 2012 (in vivo ultrasound) · en · academic · 参照 2026-05-18

    Demonstrated that slider mobilization produced greater nerve excursion than tensioner or single-joint mobilizations

  5. Slump Sciatic Nerve Glides

    The Student Physical Therapist (PT clinical resource) · en · clinic · 参照 2026-05-18

    Step-by-step PT-oriented seated slump glide protocol

  6. How to Do Nerve Glides: The Slump Test Progression

    Victory Performance PT (clinic) · en · clinic · 参照 2026-05-18

    Clinician-authored slump glide progression for sciatica

  7. Sciatic Nerve Flossing: 5 Nerve Gliding Exercises for Pain Relief

    GoodRx (medically reviewed consumer article) · en · article · 参照 2026-05-18

    Lay-friendly description of sciatic nerve flossing technique

  8. 坐骨神経痛の最新リハビリ法!スライダーテクニックで腰痛を和らげる方法とは?

    成尾整形外科病院(整形外科クリニック) · ja · clinic · 参照 2026-05-18

    国内整形外科クリニックによるスライダーテクニックの解説

  9. 末梢神経の滑走障害! テクニック公開!

    理学療法士 園部俊晴 ブログ · ja · clinic · 参照 2026-05-18

    国内 PT による末梢神経滑走テクニック解説

  10. 坐骨神経痛 やわらげるストレッチと体操

    IMS グループ お役立ちサイト(医療法人) · ja · clinic · 参照 2026-05-18

    国内医療法人グループによる坐骨神経痛セルフケア解説

  11. 坐骨神経痛の方にオススメの「神経ストレッチ」

    MBP Japan 玄龍治療院(鍼灸整骨院) · ja · clinic · 参照 2026-05-18

    国内臨床家による坐骨神経ストレッチ解説

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バードドッグ(対角線挙上・体幹安定化)

四つ這いで対角線上の片腕と片脚を同時に持ち上げ、腰椎を動かさずに体幹深層筋(多裂筋・腹横筋)と臀部・脊柱起立筋を協調活性化する McGill Big 3 の中核エクササイズ。

3 分やさしい

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うつ伏せ大腿直筋ストラップストレッチ(骨盤前傾解除)

うつ伏せでストラップ/タオルを足首にかけて踵を臀部に引き寄せ、二関節筋である大腿直筋を最大伸長させて骨盤前傾を解除し、腰椎の代償的前弯(過伸展)を直接ゆるめる。下位交差症候群(lower crossed syndrome)の中核アプローチ。

1 分 30 秒やさしい

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