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正中神経 神経滑走エクササイズ(6ポジション)

Median Nerve Glide (6-Position Sequence)

手・手首・指の6ポジションを順に動かして正中神経を手根管の中で軸方向に滑走させ、神経内浮腫を減らして圧迫感やしびれを軽減する神経モビライゼーション。デスクワーカー・カーペルトンネル症候群(CTS)軽中等症の補助療法として用いる。

手首・前腕1 分 30 秒3分以内やさしい座位器具不要査読論文
正中神経 神経滑走エクササイズ(6ポジション)で主に伸びる対象部位の目安。前腕と手首の人体模型

Muscle atlas

どこに効くか

医療診断ではなく、意識する場所をつかむための部位イメージです。主な焦点は 腕、前腕、手首です。

上肢・前腕腕、前腕、手首
その他関節、神経、筋膜など

target muscles

  • 正中神経(手根管通過部)
  • 屈筋支帯(横手根靭帯)

動作ガイド

動きの流れ

ここでは、体の向き・支点・力を抜く位置を手順に沿って確認します。

体の向き手のひら中央母指示指・中指
1手順 1
手順 1の動き

手順 1

椅子に深く座り、肩の力を抜いて骨盤を立てる。施術する側の肘を体の横に軽く付け、肘を90°に曲げ、手のひらを上に向けて前腕を体の前に出す(前腕回外位)。

Tips

  • 肩をすくめない
  • 首は中立、顎を引く
  • 反対の手は膝の上に置いて安定させる
2手順 2
手順 2の動き

手順 2

【ポジション1】手首を中立にしたまま、母指を内側に入れて4指で握り込む(軽い握りこぶし)。母指は手のひら側に向ける。5秒キープ。

Tips

  • こぶしは強く握りすぎない(爪が手のひらに食い込まない程度)
  • 手首は曲げず一直線
3手順 3
手順 3の動き

手順 3

【ポジション2】4指と母指をまっすぐ伸ばし、手のひら・指・母指がすべて中立で一直線の平手にする。手首も中立のまま。5秒キープ。

Tips

  • 指の関節すべて伸ばす(カックンと反らせない)
4手順 4
手順 4の動き

手順 4

【ポジション3】指と母指をまっすぐ伸ばしたまま、手首だけを背屈(手の甲側に反らす)して指先を天井方向に向ける。手のひらは前を向く。5秒キープ。

Tips

  • 肘は曲げたまま、肩は動かさない
  • 手首は痛みのない範囲で最大背屈
5手順 5
手順 5の動き

手順 5

【ポジション4】ポジション3の形を保ったまま、母指だけを手のひらと垂直方向に外側へ離す(母指外転)。前腕~母指の付け根に軽い伸び感が出る。5秒キープ。

Tips

  • 手首が屈曲方向に戻らないよう注意
  • 母指は無理に開かない(伸び感が出れば十分)
6手順 6
手順 6の動き

手順 6

【ポジション5】そのままの手の形を保ちつつ、前腕を外側にひねって手のひらを反対側に向ける(さらに回外を深める)。前腕内側〜手のひら中央に滑走感が出る。5秒キープ。

Tips

  • 肘が体から離れないように脇に保つ
  • 肩がすくまない範囲で前腕回外を最大化
7手順 7
手順 7の動き

手順 7

【ポジション6】反対の手で施術側の母指を軽くつまみ、母指をさらに下方向(手のひらと反対側)へごく軽く引く。手のひら〜前腕に「ピン」と引かれる神経テンションが出たら止める。3〜5秒キープ。

Tips

  • 強く引かない(テンションは「気づく程度」で十分、痛みやしびれが増えたら手前で止める)
  • しびれが出る方向にはこれ以上テンションをかけない(その時点でフィニッシュ)
8手順 8
手順 8の動き

手順 8

ポジション1→6を1サイクルとし、ゆっくり3〜5サイクル繰り返す。片側終わったら反対側も同様。1日2〜3回(朝・昼・就寝前)が目安。

Tips

  • 「ストレッチ」ではなく「グライド(滑走)」なので、各ポジションを長くキープせず流れるように動かしてもよい
  • 急がず、5秒ずつ呼吸に合わせて移行する

呼吸

ゆっくりとした鼻呼吸を続ける。各ポジション移行時に1呼吸かけて動かすイメージ。息は止めない。

回数 / 頻度

片側 3〜5サイクル × 1日2〜3回

こんなときは行わない

  • 手術後の急性期(手根管解放術等の創部治癒前)
  • 急性外傷直後(橈骨遠位端骨折・手関節捻挫の急性期)
  • 実施中・実施直後にしびれ/痛みが増悪する場合は即中止
  • 進行例(母指球萎縮・夜間激痛で持続的しびれが固定化)は自己判断で滑走を強めない(神経損傷リスク)
  • 頚椎神経根症の急性期で上肢に強い放散痛がある場合(神経テンション増悪リスク)
  • 妊娠中のCTS様症状はホルモン性浮腫が主因のことが多く、まず医療相談を優先

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出典

8 references

このストレッチの内容は、以下の文献・公的情報を参照して構成されています。各リンクから一次情報を確認できます。

  1. Neurodynamic Techniques in the Treatment of Mild-to-Moderate Carpal Tunnel Syndrome: A Systematic Review and Meta-Analysis

    Journal of Clinical Medicine 2023 (MDPI) · en · academic · 参照 2026-05-17

    要約引用のみ

  2. Effectiveness of Tendon and Nerve Gliding Exercises in Mild Idiopathic CTS: An RCT

    PMC 2022 RCT (n=80) · en · academic · 参照 2026-05-17

    要約引用のみ(プロトコル: 5秒キープ × 10反復 × 1日3回 × 6週)

  3. Effectiveness of Nerve Gliding Exercises on Carpal Tunnel Syndrome: A Systematic Review

    Wong et al., J Manipulative Physiol Ther 2017 · en · academic · 参照 2026-05-17

    要約引用のみ

  4. Carpal Tunnel Median Nerve Gliding Exercises (6-Position Protocol)

    Schreiber MD(整形外科医監修サイト) · en · clinic · 参照 2026-05-17

    手順番号と各ポジションは本サイトの記載に依拠して自分の言葉で再構成

  5. Distal Median Nerve Glides (Patient Handout)

    Hand Therapy Academy(CHT監修) · en · clinic · 参照 2026-05-17

    要約引用のみ

  6. Neurodynamic Treatment

    Physiopedia · en · article · 参照 2026-05-17

    機序記述(intraneural edema・軸方向滑走)の補強参考

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