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セルフMWM 手関節 掌側滑り+手関節伸展(マリガン式・コーリス骨折後ROM回復)

Self Mulligan Mobilization with Movement (Self-MWM) Volar Glide for Wrist Extension

反対の手で患側の遠位橈尺骨を掌側方向へ滑らせたまま、痛みを出さずに手関節伸展(背屈)を反復するマリガン式セルフ手技。コーリス骨折後やデスクワーク後の手関節伸展制限・末端肢位痛に対し、関節包の掌側滑り成分を回復させ即時の伸展角度と機能を改善する。

手首・前腕2 分3分以内ふつう座位器具不要専門家由来
セルフMWM 手関節 掌側滑り+手関節伸展(マリガン式・コーリス骨折後ROM回復)で主に伸びる対象部位の目安。前腕と手首の人体模型

Muscle atlas

どこに効くか

医療診断ではなく、意識する場所をつかむための部位イメージです。主な焦点は 関節、神経、筋膜などです。

その他関節、神経、筋膜など
上肢・前腕腕、前腕、手首

target muscles

  • 橈骨手根関節(背側関節包)
  • 近位手根列(舟状骨・月状骨・三角骨)
  • 中手根関節
  • 前腕屈筋群(伸展可動域を制限する筋)

動作ガイド

動きの流れ

ここでは、体の向き・支点・力を抜く位置を手順に沿って確認します。

体の向き患側遠位橈尺骨健側母指(橈尺骨背側に当たる)健側示指・中指(掌側に当たる)
1手順 1
手順 1の動き

手順 1

椅子に座り、テーブルに患側の前腕を回内(手のひら下)で乗せる。手関節がテーブルの縁から出るように位置決めし、手首から先は宙に浮かせる。肘は90度。

Tips

  • 前腕全体は安定した平面に密着
  • 肩は上げずリラックス
  • 手関節中央がテーブル縁に来る
2手順 2
手順 2の動き

手順 2

反対側(健側)の手で、患側の遠位橈骨・尺骨を上下から挟むように把持する。健側の母指は患側手関節の背側面(橈骨・尺骨遠位端)に、示指・中指は掌側面に当てる。

Tips

  • 把持点は手根骨ではなく遠位橈尺骨(関節線より2横指中枢)
  • 把持は強く握り込まず安定する程度
  • 手首皺の中枢側を挟む
3手順 3
手順 3の動き

手順 3

健側の母指で患側橈尺骨遠位端を掌側方向(テーブルに向けて下方)へ滑らせる。同時に示指・中指は背側方向へ持ち上げる。この『掌側グライド』を維持する。

Tips

  • 押す力は5〜20Nの軽い圧(痛みが出ない最小限)
  • 前腕全体を押し下げるのではなく、橈尺骨遠位端だけをスライドさせる
  • マリガンの大原則 pain-free を厳守、痛みが出たら直ちに圧を弱める/方向を変える
4手順 4
手順 4の動き

手順 4

掌側グライドを保ったまま、患側の手関節をゆっくり背屈(伸展)させ、痛みが出ない最大角度で2〜3秒保持してからニュートラルに戻す。10回1セット。

Tips

  • グライドが効くと『同じ角度でも詰まり感が減る/角度が増える』感覚が出る
  • 痛みが出る角度に達したら即座に戻す
  • 1回ごとに必ずニュートラルへ戻す
  • 終末域で外旋/内旋を加えない(純粋な背屈のみ)
5手順 5
手順 5の動き

手順 5

10回×3セットを1日3〜5回。セット間に30秒の休息。最後にテーブルに掌をついて静かに体重を乗せ、改善した背屈可動域を機能課題で確認する(プッシュアップポジション等)。

Tips

  • 翌日の痛み増悪があれば回数を半分にする
  • ROM が回復したら立位プランクなどの荷重課題へ段階的に進める
  • セット中に痛みが出始めたら中止

呼吸

背屈動作で口からゆっくり息を吐き、ニュートラルへ戻すときに鼻から吸う。グライドを保つために息止めしない。

回数 / 頻度

10回 × 3セット/1日3〜5回

こんなときは行わない

  • 橈骨遠位端骨折の急性期(固定中・骨癒合未完了:原則6〜8週以前は禁忌)
  • 手関節の急性炎症・腫脹(48時間以内)
  • 舟状骨骨折・月状骨脱臼・キーンベック病など手根骨病変の急性期
  • MWM中に痛みが増悪する場合は中止(Mulligan pain-free 原則)
  • 手関節靭帯不安定症(TFCC断裂・SL靭帯損傷)の急性期
  • リウマチ等の活動性関節炎で熱感がある時期
  • 手指のしびれが新規出現/増悪する場合(神経症状)

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出典

15 references

このストレッチの内容は、以下の文献・公的情報を参照して構成されています。各リンクから一次情報を確認できます。

  1. Mobilization with movement and elastic taping for a patient with a subacute Colles fracture: a case report

    Backstrom KM / J Orthop Sports Phys Ther 2002;32(8):402-414 · en · research-paper · 参照 2026-05-18

    Colles骨折亜急性期に対するMWM+テーピングの症例報告。手関節伸展ROMと把持力の即時改善を報告。セルフMWM継続プログラムも記載

  2. Effect of Mulligan's mobilization with movement technique on hand grip strength and wrist range of motion

    Park JH, Hwangbo G / J Phys Ther Sci 2014 · en · research-paper · 参照 2026-05-18

    手関節MWM群(n=15)vs 対照群(n=15)の対照比較試験。MWM群で手関節背屈ROMと把持力が有意に改善(p<0.05)。Mulligan掌側/背側グライドプロトコル詳細あり

  3. Mulligan Concept manual therapy: standardizing annotation

    Hing W, Hall T, Mulligan B / Man Ther 2014;19(6):528-535 · en · research-paper · 参照 2026-05-18

    Mulligan Concept の標準化アノテーション論文。Self-MWM 手関節掌側グライド(VG)+背屈の表記プロトコルを含む

  4. The effects of Mulligan mobilization and exercise on wrist range of motion and grip strength after distal radius fracture

    Kim ED, Won YH, Park HM, Kim SH / J Phys Ther Sci 2015 · en · research-paper · 参照 2026-05-18

    橈骨遠位端骨折後リハ患者でMWM+運動 vs 運動単独のRCT。MWM併用群で手関節伸展ROMと把持力が有意に改善(p<0.05)

  5. Effectiveness of mobilization with movement on patients with subacute or chronic wrist pain

    Reid SA, Andersen JM, Vicenzino B / Phys Ther Sport 2014 · en · research-paper · 参照 2026-05-18

    亜急性/慢性手関節痛に対するMWMの効果検証。痛み・可動域・機能の即時改善が一貫

  6. Mulligan Concept

    Physiopedia · en · clinical-guide · 参照 2026-05-18

    Mulligan Conceptのセラピスト・セルフMWMプロトコル概観。手関節MWM(橈骨に対する手根の側方グライド/掌側グライド)の3×10レップ用量

  7. Distal Radius Fracture - Rehabilitation

    Physiopedia · en · clinical-guide · 参照 2026-05-18

    コーリス骨折後リハの保存療法・術後段階別。MWMはROM回復期のエビデンスレベルB推奨

  8. Manual therapy for distal radius fractures: a systematic review

    Handoll HHG, et al. / Cochrane review citation · en · research-paper · 参照 2026-05-18

    橈骨遠位端骨折後リハのマニュアルセラピー(MWM含む)SR。短期ROM改善のエビデンスを支持

  9. About the Mulligan Concept

    Mulligan Concept Teachers Association · en · association-guideline · 参照 2026-05-18

    MCTA公式:CROCKS(Contraindications, Repetitions, Overpressure, Communication, Knowledge, Sustained)+PILL(Pain-free, Instant, Long-Lasting)原則

  10. マリガンのマニュアルセラピー 原著第7版

    ブライアン R マリガン著 / 藤縄理・赤坂清和・中山孝 訳 / 協同医書出版社 · ja · textbook · 参照 2026-05-18

    MWMの原典教科書 邦訳版。手関節VG/DG+背屈/掌屈の self-MWM プロトコル収載(chapter wrist/hand)

  11. 日本マリガンコンセプト協会(JMCA)公式

    Japan Mulligan Concept Association · ja · association-guideline · 参照 2026-05-18

    国内協会。手関節 self-MWM コース内容と用量規程(3×10レップ/1日3〜5回/pain-free)

  12. 手関節背屈制限に対する Mobilization with Movement の即時効果

    理学療法学/日本理学療法学術大会抄録 2017 · ja · research-paper · 参照 2026-05-18

    国内学会発表:手関節背屈制限例における橈骨遠位部掌側グライド+背屈のMWM即時効果(n=12, 平均7.8度のROM改善)

  13. 手関節背屈制限のセルフケア|理学療法士監修

    株式会社リハサク · ja · article · 参照 2026-05-18

    理学療法士監修:橈骨遠位端骨折後・デスクワーク由来の手関節背屈制限に対するセルフ関節モビライゼーション解説

  14. 橈骨遠位端骨折 | 日本整形外科学会 症状・病気をしらべる

    日本整形外科学会 (JOA) · ja · association-guideline · 参照 2026-05-18

    学会公式ページ:橈骨遠位端骨折後の機能回復における可動域訓練の位置づけ。痛み増悪させない原則

  15. Mulligan's Mobilization with Movement の臨床応用

    理学療法学 Suppl · ja · research-paper · 参照 2026-05-18

    国内総説:MWM の上肢関節(肘・手)への臨床応用と用量設定の解説

Guides

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2 分ふつう器具不要

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