Self­-StretchA Daily Self-Stretch Library探す →

座位 坐骨神経スライダー(スランプ姿勢・神経モビライゼーション)

Seated Sciatic Nerve Slider in Slump Position (Neural Mobilization)

椅子に浅く腰掛けてスランプ姿勢(背中を丸めて頭を下げる)を取り、片脚を伸ばしながら『膝伸展+足首背屈+頸部屈曲』と『膝屈曲+足首底屈+頸部伸展』を 1〜2 秒のリズムでスライドさせる神経モビライゼーション。坐骨神経を中枢側と末梢側で交互に滑走させる『スライダー』技法で、神経自体は引っ張らずに周囲組織との滑り(neural gliding)を改善する。梨状筋症候群・腰椎神経根症由来の坐骨神経痛セルフケアに用いる。1 セッション 10 往復 × 2〜3 セット

股関節・お尻3 分3分以内やさしい座位器具:chair専門家由来
座位 坐骨神経スライダー(スランプ姿勢・神経モビライゼーション)で主に伸びる対象部位の目安。股関節と骨盤まわりの人体模型

Muscle atlas

どこに効くか

医療診断ではなく、意識する場所をつかむための部位イメージです。主な焦点は 骨盤、お尻、股関節です。

殿部・股関節骨盤、お尻、股関節
大腿・下腿もも、ふくらはぎ、すね
その他関節、神経、筋膜など

target muscles

  • 坐骨神経(坐骨結節〜膝窩〜脛骨神経/総腓骨神経)
  • 梨状筋(神経通過部・パッシブ伸長)
  • ハムストリング・下腿三頭筋(神経経路上の組織)

動作ガイド

動きの流れ

ここでは、体の向き・支点・力を抜く位置を手順に沿って確認します。

体の向き腰椎〜仙骨右殿部(梨状筋通過部)右もも裏
1手順 1
手順 1の動き

手順 1

背もたれの硬めの椅子に浅く腰掛ける。両足は床にしっかり接地し、膝・股関節は約 90 度。両手はもも上に軽く置く。まずニュートラルな良い姿勢で 1 回深呼吸して全身を緩める

Tips

  • 椅子の座面が高すぎる場合は足が床に届く位置に調整
  • ベルト位置を緩めて腹部を圧迫しない
  • 症状がある側を『動かす脚』にする
2手順 2
手順 2の動き

手順 2

上体を丸めて『スランプ姿勢』を作る。胸椎を C 字にカール→骨盤後傾→頭を下げて顎を胸に近づける。両手は手のひらを下に向け、もも上で組むか、両側で椅子の端を握る。この姿勢で坐骨神経の中枢側(脊柱管〜梨状筋通過部)にゆるい予備緊張がかかる

Tips

  • 首を強くたたまない(顎が胸につく程度で OK、痛みが出るほど屈曲しない)
  • 腰を丸めることで坐骨結節が前方へ移動し、神経への余裕が生まれる
  • 肩はリラックス、力まない
3手順 3
手順 3の動き

手順 3

【スライダー往路】症状側(例:右)の膝をゆっくり伸ばしながら、同時に右足首を背屈(つま先を顔方向)し、さらに同時に頭を起こして前方を見る(頸椎伸展)。3 つの動きを 1〜2 秒で同期させる。この瞬間、神経は中枢側で『たるみ』、末梢側で『張る』方向にスライドする

Tips

  • 膝・足首・首は『せ〜の』で同時動作(バラバラだと効果半減)
  • 膝は完全伸展しなくてよい(張りが出る手前 5〜10 度残す)
  • ハムストリングやふくらはぎの『伸びる感覚』は OK、しびれの放散・電撃痛は NG(その手前で止める)
4手順 4
手順 4の動き

手順 4

【スライダー復路】膝を曲げて足を床に戻しながら、同時に足首を底屈(つま先を下に)し、同時に首を再び屈曲(スランプ姿勢に戻す)。1〜2 秒で同期。今度は神経が末梢側で『たるみ』、中枢側で『張る』方向にスライドする

Tips

  • 復路でも 3 つの動きを同期させる(首・膝・足首)
  • 床に足を完全に着けて良い(位置リセット)
  • 深呼吸 1 回入れてもよい(リズムが取りやすい)
5手順 5
手順 5の動き

手順 5

ステップ 3(往路)→ステップ 4(復路)を 1 往復として、ゆっくりとしたリズムで 10 往復を 1 セット行う(約 30〜40 秒/セット)。痛みやしびれが増えないかセット中も毎回確認する

Tips

  • 神経は『引き伸ばす』のではなく『滑らせる』イメージ。両端を同時に引っ張らない(それは tensioner で別技法)
  • 10 往復中で症状が悪化したら即中止
  • 鏡の前で行うと首・膝の同期が確認しやすい
6手順 6
手順 6の動き

手順 6

10 往復終わったら、いったん椅子の背もたれに寄りかかって 30〜60 秒間ニュートラル姿勢で休む。深呼吸を 3 回、症状の変化(しびれの範囲・強さ)をチェックする

Tips

  • セット間休憩でしびれが悪化していないことを確認
  • 両脚にだるさが残る場合は無理に次セットへ進まない
  • 症状が軽減している実感があれば良いサイン
7手順 7
手順 7の動き

手順 7

反対側(無症状側)も同様に 1 セット(10 往復)行い、左右差を整える。両側合わせて 2〜3 セット/1 セッション。1 日 1〜3 セッションを目安に、症状消失後も 3〜6 ヶ月は予防的に継続する

Tips

  • 無症状側でも同じリズムで動かすことで神経系全体の滑走性が均等化される
  • デスクワーク中は 1 時間ごとに 1 セットだけ挟むのも有効
  • 毎日継続するのが効果的(週 2〜3 回より頻度高め)

呼吸

全工程で息を止めない。往路で軽く吐く・復路で軽く吸う、もしくは自然呼吸を継続。スランプ姿勢で腹部を強く圧迫しないよう深呼吸を保つ

回数 / 頻度

片側 10 往復=1 セット(約 30〜40 秒)、左右各 1 セットを 2〜3 セット。1 日 1〜3 セッション、症状消失後も 3〜6 ヶ月継続推奨

こんなときは行わない

  • 急性期の腰椎椎間板ヘルニアで下肢の力が抜ける・足の感覚が完全に消える等の馬尾症候群兆候がある場合(緊急受診)
  • 下肢の安静時痛が VAS 7 以上で症状が増悪している急性炎症期(72 時間以内)— 神経刺激より安静優先
  • 脊椎手術後 6 週以内(術後早期は主治医・PT の指示に従う)
  • 妊娠中で坐骨神経症状がある場合は産科医・PT に相談(前屈姿勢自体は禁忌ではないが個別判断)
  • 重度の脊柱管狭窄症で前屈時にしびれが減るが屈曲しすぎると失神様症状が出る場合
  • 悪性腫瘍の骨転移・脊椎感染症などレッドフラグサインがある場合は禁忌
  • 強い『引っ張る』感覚やしびれの放散が出るほど深く動かすこと(神経自体を引き伸ばす『tensioner』化)は本手技の主旨から外れ、症状増悪のリスクがあるため避ける

Related tools

このストレッチと相性のよい準備

PR
  • 腰痛 / 股関節・お尻 / 肩こり

    セルフケア用品を選ぶ

    股関節・腰・肩まわりのセルフケアに使う道具を、無理なく取り入れるための導線です。

    提携リンク準備中

このセクションには広告・アフィリエイトリンクを含む場合があります。掲載内容はストレッチの安全性と出典表示を優先し、紹介先の購入を前提にしません。

出典

14 references

このストレッチの内容は、以下の文献・公的情報を参照して構成されています。各リンクから一次情報を確認できます。

  1. Effect of Neural Mobilization Exercises in Patients With Low Back-Related Leg Pain With Peripheral Nerve Sensitization: A Prospective, Controlled Trial

    Plaza-Manzano G et al., Journal of Manipulative and Physiological Therapeutics (PMC8703155) · en · academic · 参照 2026-05-18

    PMC オープンアクセス、要約引用。スライダー群/テンショナー群/対照群比較で痛み・ROM 改善

  2. Physiotherapy for Piriformis Syndrome Using Sciatic Nerve Mobilization and Piriformis Release

    Cureus (PMC9879580) · en · academic · 参照 2026-05-18

    Cureus オープンアクセス、症例報告/プロトコル解説の要約引用

  3. Physiotherapy for Piriformis Syndrome Using Sciatic Nerve Mobilization and Piriformis Release

    PubMed 36712711 · en · academic · 参照 2026-05-18

    PubMed 抄録のみ要約引用

  4. Sciatic Nerve Flossing: 5 Nerve Gliding Exercises for Pain Relief

    GoodRx Health(医療系記事、PT 監修) · en · article · 参照 2026-05-18

    要約引用、手技の手順・注意点

  5. Nerve Flossing Exercises for Sciatica

    HealthCentral(医療系記事) · en · article · 参照 2026-05-18

    要約引用

  6. Nerve flossing: What it is, purpose, and exercises

    Medical News Today · en · article · 参照 2026-05-18

    要約引用

  7. How to Do Nerve Glides: The Slump Test Progression

    Victory Performance PT(米国理学療法クリニック) · en · clinic · 参照 2026-05-18

    要約引用、スランプ進行手順

  8. Sciatic Nerve Flossing

    Goodman Campbell Brain and Spine · en · clinic · 参照 2026-05-18

    要約引用、脊椎専門医記事

  9. 坐骨神経痛の最新リハビリ法!スライダーテクニックで腰痛を和らげる方法とは?

    成尾整形外科病院 理学療法士監修ブログ · ja · clinic · 参照 2026-05-18

    要約引用

  10. 神経系モビライゼーション|痛み/しびれ/可動域障害を治療する!病態に応じた積極的なアプローチ

    1post(理学療法士向け教育サイト) · ja · article · 参照 2026-05-18

    要約引用、Butler/Shacklock 系神経モビライゼーション理論

  11. 神経系モビライゼーション完全ガイド:SLR で学ぶ安全手順

    リハトラ net(理学療法士監修) · ja · article · 参照 2026-05-18

    要約引用、安全手順・禁忌

  12. 【2026年最新】治らない坐骨神経痛は『梨状筋症候群』かも?原因の見分け方と改善リハビリ

    STROKE LAB(理学療法士/作業療法士監修) · ja · clinic · 参照 2026-05-18

    要約引用、梨状筋症候群と神経モビの位置付け

  13. 神経の動きを整えるスライダーエクササイズとは?

    はくさん和鍼灸整骨院(横浜市緑区) · ja · clinic · 参照 2026-05-18

    要約引用、セルフ手順

  14. 梨状筋症候群の原因・症状・治し方を専門家が徹底解説|坐骨神経痛との違いと改善方法

    サモナ整体院監修記事 · ja · clinic · 参照 2026-05-18

    要約引用、3〜6 ヶ月継続推奨の根拠

Guides

選び方ガイド

ガイド一覧へ

関連するストレッチ

同じカテゴリ

同じ悩みのカテゴリで見比べやすいストレッチ

内転筋セルフ筋膜リリース(フォームローラー・うつ伏せフロッグ)

うつ伏せでフォームローラーを内ももの下に対角線(45度)に置き、対象側の膝を90度に外に開いた『フロッグ』ポジションで前肘支持しながら、鼠径部寄り→膝寄りへ小さく波打つように30秒ロール、続けて30秒静的圧迫を行うセルフ筋膜リリース。長内転筋・大内転筋・薄筋を狙い、股関節外転ROM・骨盤前傾コントロール・スクワット深さの制限を改善する。Williams 2020 RCT (n=40) で1回60秒の介入で内転筋柔軟性が即時向上することが確認されている。

2 分ふつう

バンド股関節ディストラクション(セルフモビライゼーション)

太いレジスタンスバンドを鼠径部に低位固定して後方へ牽引し、股関節関節包を離開させながら屈曲・内外旋を行う関節モビライゼーション。スクワットや深い屈曲時の詰まり感・可動域制限に対するセルフケアとして用いられる。

2 分ふつう

コサックスクワット(側方深屈ランジ)

立位ワイドスタンスから片膝を深く曲げ、反対脚を真横に伸ばしたまま体重を左右に移動させる動的側方深屈ランジ。内転筋・大殿筋・ハムストリングスを伸長位で同時に負荷し、股関節・足首の前頭面(frontal plane)可動域を広げるモビリティ&筋力複合エクササイズ。

1 分 30 秒ふつう器具不要

ヒップエアプレーン(片脚ヒンジ+骨盤内外旋)

片脚立位で股関節をヒンジし上体を床と平行に保ちながら、骨盤を支持脚の股関節を軸に内外旋させる動的モビリティ+ダイナミックスタビライザードリル。中殿筋・小殿筋・深層外旋6筋・大殿筋の単脚回旋制御を再教育する。

1 分 30 秒上級

腸腰筋セルフ筋膜リリース(ボール・うつ伏せ)

うつ伏せでテニスボールまたはマッサージボールをへそと腰骨を結んだ線の中点(腹直筋外縁~腸骨翼内側)に置き、両肘で体重をコントロールしながら腸腰筋(大腰筋+腸骨筋)に持続圧をかけるセルフ筋膜リリース。深部に位置する腸腰筋は『手でほぐしにくい』ため、自重と床の間にボールを挟む本手技で間接的にアクセスする。1点15〜30秒の静的圧迫を1〜2点ずつ、呼吸に合わせて行い、デスクワーク・長時間座位による股関節屈筋短縮、骨盤前傾、腰椎前彎、慢性腰痛を緩和する。Bordoni 2022 RCTで横隔膜+腸腰筋複合MFRが慢性腰痛のPain・ODIを有意改善することが示されている(複合介入のため本件単独はclinician-cited)。

1 分 30 秒ふつう

トカゲのポーズ(リザード/ウッタンプリシュターサナ)前腕おろし版

前足を片手の外側に置く深いランジから、両前腕を床(またはブロック)に下ろし、上体の重みと呼吸で前股関節の屈曲+外旋+外転と後脚の腸腰筋伸長を同時に深める、ヨガ由来の高強度セルフ股関節オープナー。

3 分ふつう

同じ時間

同じくらいの所要時間で取り組めるストレッチ