
手順 1
平らな壁を背にして立ち、踵を壁から約 10〜15cm 離して立つ。骨盤を後傾気味にして腰椎の自然なカーブを保ちつつ腰と壁のすき間を最小化する(手のひら 1 枚分が目安)。後頭部・上背部・仙骨を壁に軽く接触させる。
Tips
- 腰を反らせて腰と壁の間に大きな空洞を作らない
- 顎を引いて後頭部を壁に軽く触れる(顎を上げない)
- 膝は軽く緩める(ロックしない)
Scapular Wall Slide
壁に背中・骨盤・後頭部・両前腕を密着させた状態で、前腕を壁に押し付けながら頭上方向へスライドさせ、肩甲骨の上方回旋+後傾+上方傾斜を能動的に作り出し、90 度以上の挙上域で前鋸筋および下部僧帽筋を高活動させるダイナミック肩甲胸郭スタビライゼーション・エクササイズ。下方回旋症候群(SDR)・巻き肩・肩峰下インピンジメントの肩甲運動学的代償を再教育する目的で用いる。

Muscle atlas
医療診断ではなく、意識する場所をつかむための部位イメージです。主な焦点は 後頭部から首すじです。
target muscles
動作ガイド
ここでは、体の向き・支点・力を抜く位置を手順に沿って確認します。

平らな壁を背にして立ち、踵を壁から約 10〜15cm 離して立つ。骨盤を後傾気味にして腰椎の自然なカーブを保ちつつ腰と壁のすき間を最小化する(手のひら 1 枚分が目安)。後頭部・上背部・仙骨を壁に軽く接触させる。
Tips

両腕を「W」の形に作る:肘を約 90 度に屈曲し、上腕を約 90 度外転(肩の高さ)して上腕の背面と前腕の背面を壁に密着させる。手のひらは前方向、親指は天井方向。両前腕・手の甲・肘・上腕の背面すべてが壁に触れているか確認する。
Tips

前腕を壁に押し付ける圧を維持したまま、息を吐きながらゆっくり両腕を頭上方向にスライドさせる。最終位置は無理のない範囲で肘がほぼ伸び切る手前まで(個人差あり:屈曲 140〜170 度)。スライド中、後頭部・上背部・仙骨・両前腕の壁との接触を一切離さないこと。
Tips

頭上のトップポジションで 2〜3 秒キープ。「肩甲骨が背中の上で上向きに回転している」「脇の下の前鋸筋に力が入っている」感覚を確認する。息は止めない。
Tips

息を吸いながら同じ軌道でコントロールしてスタートポジションに戻る。下降中も前腕と上背部を壁から離さない。腕を「落とす」のではなく「降ろす」。
Tips

10〜15 回 を 1 セットとして 2〜3 セット繰り返す。各セット間は 60〜90 秒休む。週 3 日が標準的開始量(Kim 2016 プロトコルでは 4 週間:第 1 週 3×10、第 2 週 3×15、第 3 週 3×20、第 4 週 3×25、セット間休憩 2 分)。
Tips

発展バージョン(インピンジメント既往者・四十肩リハ後期向け):両手首にミニバンドを掛けて軽くテンションを張りながら同じスライドを行う=外旋+肩甲骨内転+前鋸筋活性化を同時に強化(Rehab Hero / Brookbush 推奨)。逆にレベルダウンする場合は接触する身体パーツを「両前腕+手の甲のみ」に減らし、後頭部や仙骨は壁から離してよい(壁に「上半身全部」をつけるのが難しい人向け)。
Tips
呼吸
上昇局面で吐く・下降局面で吸う(または自然呼吸)。ホールド中は決して息を止めない(血圧上昇・代償収縮を防ぐ)。
回数 / 頻度
10〜15 回 × 2〜3 セット。週 3 日。漸増プロトコル(Kim 2016):第 1 週 3×10 → 第 2 週 3×15 → 第 3 週 3×20 → 第 4 週 3×25、セット間休憩 2 分、計 4 週間で SDR 角度・PPT・VAS 改善。
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Kim Y-K, Cho S-H. J Phys Ther Sci. 2016;28(8):2299-2302. PMC5080198 · en · academic · 参照 2026-05-17
査読 RCT(n=22, 4 週間 3 日/週, ウォールスライド単独介入で SDR 角度・PPT・VAS 全て有意改善)・要約引用のみ
Hardwick DH, Beebe JA, McDonnell MK, Lang CE. J Orthop Sports Phys Ther. 2006;36(12):903-910. PMID 17193867 · en · academic · 参照 2026-05-17
査読 EMG 研究(n=20, ウォールスライドは 90°以上で前鋸筋を有意に活性化、p=0.001)・要約引用のみ
PMC4085196 (J Phys Ther Sci 2014) · en · academic · 参照 2026-05-17
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Frontiers in Neurology. 2024;15:1357763 · en · academic · 参照 2026-05-17
査読 SR/MA(8 RCT, n=387, VAS WMD -0.94 / SPADI WMD -10.10, ウォールスライド含む scapular stabilization exercise の効果検証)・要約引用のみ
Brookbush Institute(DPT 監修レビュー) · en · clinic · 参照 2026-05-17
DPT 監修レビュー・要約引用のみ
[P]rehab Guys(DPT 監修) · en · clinic · 参照 2026-05-17
DPT 監修一般向け解説・要約引用のみ
Cools AM, Witvrouw EE, Declercq GA, Danneels LA, Cambier DC. JOSPT 2003;33(5):247-258 · en · academic · 参照 2026-05-17
査読 EMG 研究・前鋸筋/僧帽筋筋活動比検証・要約引用のみ
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